Learn Better 読後2
- 独習塾ALGO 代表

- 2021年1月5日
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学習そのものに着目した研究はまだ20年ほどの歴史、それまで学習能力は生来備わったものと考えられ、後天的には変えられない特性とされていた。学習にあたり目指すのは思考の体系を学ぶこと。知識は学習の土台、記憶は強力な学習ツールだが出発点。学習とは、整理された分かりやすい体系の大切な部分を理解することと著者は論ずる。
論文は著者自身の体験を述べることを控えている。学習学として知識の効率的な習得方法を体系化する目的で著述する。その為のアプローチを1価値を見いだす、2目標を設定する、3能力を伸ばす、4発展させる、5関係づける、6再考するという段階に分ける。
1価値を見いだすについて、学習の価値を学習者が認識すること。学習の意味を発見し、学びたいという意欲を持ち、探究心に変化させ、更に知りたいという欲求を満足させ、やるに値するという確信に至る。このモチベーションの進化は自分自身が発見しなければならないと著者は述べる。仕事においてもモチベーションを上げるための仕事への意味づけ、ジョブクラフティングが職場を変化させるように、学習においてもラーンクラフティングが意欲と効果を変えると述べる。
では、日本では、多くの人が習い事や塾に子どもを通わせる。他者との競争で有利になることが当初の目的であれ、学習の中に意味を感じるモチベーションを維持させる関係者は居るだろうか?家族の団欒の中でもラーンクラフティング、学習の意味づけを行うことで家庭学習の姿勢は変化すると思う。通塾しているところに意味づけできるメンターがいれば尚良いと思う。
コロナ禍のこの時代、学習機会を再考する必要があると感じる。学校教育が授業と教科書のセットで成り立っている以上、授業が成立しない状況の代替策がオンライン化になるなら日本人の義務教育の最低ラインが享受できる学習体系を具現化し提供して欲しい。この時代の子どもたちのモチベーションが低下することを懸念する。
次回は2目標を設定するについて考える。





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